メニューをスキップします

新潟県 胎内市

自然が活きる、人が輝く、交流のまち“胎内”

文字サイズ

  • 標準
  • 拡大

ホーム > 市の紹介 > 市長室だより > 施政方針・市政報告 > 平成23年第1回胎内市議会定例会

ここから本文です。

更新日:2014年3月3日

平成23年第1回胎内市議会定例会

平成23年度の施政方針(要旨)


※便宜上、見出しを付けています。

1はじめに
2「安全に安心して快適に暮らせる地域づくり」
3「活力を創出する環境づくり」
4「健全な行財政運営に基づくまちづくり」

1 はじめに


日本経済は、世界同時不況による経済危機を克服し、外需や国の需要創出政策により雇用の下支えが図られ、経済全体としては少しずつ持ち直してきたように思われます。
しかしながら、急速な円高の進行や海外経済の減速懸念により、先行きの不透明感が強まり、また、雇用も依然厳しい状況となっているなど、混迷する社会情勢は、私ども自治体を取り巻く環境にも大きく影響を及ぼしており、一段とその厳しさが増してきております。

胎内市では、一昨年からの数次にわたる国の経済対策に呼応して、これまで、各種の臨時交付金、補助金を活用し、地域経済の回復に向けた事業を展開してまいりましたが、新年度予算案にも、積極的に公共事業を実施するために、工事請負費として総額15億7,000万円を確保するほか、各種産業振興や雇用対策を推進するための予算を計上し、結果、平成22年度当初予算より5億7,300万円、率にして3.9パーセント増の総額151億7,300万円となる、積極的な予算編成をいたしました。
このように、平成23年度におきましても、引き続き、景気の回復をしっかりと下支えし、地域の活性化に資する施策を実施していきたいと考えているところであります。

さて、一昨年の政権交代、そして、今般のねじれ国会により、ますます政局が混沌としている中にあって、政府においては、社会保障制度と消費税を含む税制の一体改革あるいは、環太平洋経済連携協定への参加問題などのように、私たち国民が生活を営む上で、その根幹を成す様々な分野における仕組みを抜本的に改革するための取組みが進められようとしております。
中でも「地域主権改革」は、私ども地方自治体の行政運営において大きく影響を及ぼす改革であると考えております。
この地域主権改革により、国家機関が中心の「中央集権的」な行政システムから地方自治体が中心となる「地域主権型」行政システムに変換されてまいりますが、大切なのは、この地域主権の意義を十分に認識し、地方が自主性を持って自らの判断と責任のもとで、個性豊かな活気に満ちた地域社会を構築することだと思っております。
いずれにいたしましても、現下の目まぐるしい社会情勢の変化や制度改革の中における市政運営には、柔軟な発想と時機を逸することのない決断力が求められると思います。
これまで以上に、市民一人ひとりの声に耳を傾け、議会との連携を大切にして、胎内市のために全力を尽くしてまいります。



2 「安全に安心して快適に暮らせる地域づくり」

(1)教育環境の向上対する取組みについて
教育課程の基準を定めた新学習指導要領については、小学校では平成23年度から、中学校では平成24年度から全面実施されることとなっておりますが、この新学習指導要領の理念や内容を確実なものにし、その趣旨を活かした教育課程が編成・実施されるよう、協力してまいりたいと思います。
また、特別な支援を要する児童又は生徒の保護者の経済的負担を軽減するための就学援助を始め、当該児童・生徒それぞれに応じたきめ細かな指導ができるよう学習補助教員や介助員を配置するなど、引き続き、特別支援教育の推進に努めてまいります。
そのほか、児童の減少と校舎の老朽化が著しい黒川地区の小学校においては、地域からの要望を踏まえ、地域住民により構成される教育環境整備検討委員会を設置したところであり、今後、黒川地区小学校の教育環境についての方向性を見出してまいりたいと考えております。
以上のほか、学校、家庭及び地域の連携協力に向けた取組みを推進します。
近年、家庭や社会の教育力の低下が叫ばれ、学校に過剰な役割が求められている状況にあると指摘されておりますことから、これからの教育には、学校だけが役割と責任を負うのではなく、これまで以上に地域ぐるみで子どもを育てる体制を整えていくことが不可欠であろうと思っております。
このため、平成20年度から小学生を対象に実施しております「放課後子ども教室」について、「築地」、「黒川」、「胎内」の3つの小学校区での実施に加え、もう1校区での開設を目指すとともに、新たに「学校支援地域本部事業」の教育支援活動に取り組んでまいります。
この「学校支援地域本部」は、教員と子どもが向き合う時間の拡充や地域における教育力の活性化を図るために、地域の方々により組織されるもので、授業の補助などの学習支援や登下校の子どもの安全確保、校内の環境整備、学校行事の運営支援などの学校が必要とする活動に対し支援をいただきたいと考えております。
平成23年度は、地域の方々による学校支援ボランティア組織の設立のための準備期間とし、平成24年度から、いくつかの小学校で活動を開始したいと考えております。

(2)「総合型スポーツクラブ」の設立について
胎内市では、平成21年から設立に向け準備を進めてまいりましたが、本年4月から名称を「わくわくたいない」として、正式に始動いたします。
事務局はB&G体育館内に置き、2名のクラブマネージャーが中心となり、クラブ会費やスポーツ振興くじの助成金等を活用して、各種スポーツ教室やイベントの開催などの活動を行ってまいります。
市といたしましては、スポーツクラブの運営が円滑に行われるよう、補助金等財政面の支援のほか、スポーツ振興事業の共催など人的支援を行ってまいりたいと考えております。

(3)耐震補強の状況について
学校施設につきまして、平成22年度においては、築地中学校校舎、中条中学校屋内運動場、中条小学校屋内運動場の耐震化施工が完了し、年度末までには、中条小学校昇降口、保健室棟及び中条中学校特別教室棟の改築工事も完了する予定であります。
これにより、耐震化率は、70パーセントとなります。
平成23年度につきましては、中条小学校校舎、黒川小学校校舎・屋内運動場、大長谷小学校校舎・屋内運動場及び中条中学校校舎の耐震補強工事を予定しております。
また、社会教育施設につきましては、胎内市図書館及び中央公民館の耐震補強工事に着手するとともに、乙総合福祉センターの耐震診断を行う予定であります。

(4)子育て支援に対する取組みについて
市では、保護者の長時間労働や核家族化に伴い、市民から寄せられております「子どもの預かり」の要望に応えるため、本年4月から、ほっとHOT・中条の子育て支援センター内に「胎内市ファミリー・サポート・センター」を設置いたします。
このファミリー・サポート・センターは、子育ての援助を受けたい方と子育ての援助を手助けしたい方が相互に援助を行う会員組織でありまして、子育ての援助を受けたい会員は、概ね生後3か月から中学校を卒業するまでの子どもの保護者を対象としたいと考えております。
また、子育ての手助けをしたい会員として、心身ともに健康で積極的に援助活動を行うことができる方を募集いたします。
なお、会員間の調整を行うアドバイザーには、保育士等の経験がある方にお願いする予定としております。
運営に当たりましては、緊急的な預かりや保育園等では応じきれない預かり等、多様なニーズに対応して保護者が仕事と育児を両立し、安心して働くことができるよう、また、子どもを預かり支援してくださる会員の生きがいとなるような、実効性の担保を心がけてまいります。
いずれにいたしましても、地域の宝である子どもたちを地域住民が温かく見守り支えあう、よりよい関係を構築できるよう取り組んでまいります。
また、多子世帯に対する経済的な支援といたしまして、平成23年度から市立幼稚園及び市内保育園の保育料の第3子軽減の上限年齢を、現行の小学校4年生から中学校卒業まで拡大いたします。
今後も市民のニーズや地域特性を考慮した、特色ある施策を実施してまいりたいと考えております。

(5)福祉・医療の充実に対する取組みについて
高齢あるいは、要介護状態になっても、いつまでも、住み慣れた地域に暮らせることは、多くの方が望んでいることであると思います。
そのため、運動、栄養及び口腔機能向上を始めとした介護予防事業に、引き続き取り組むほか、さらに介護保険関係事業者や医療機関等との連携を強化して、要介護者に対する支援体制を充実させてまいりたいと思います。
中でも、認知症者を地域で見守り、その家族の応援者となる認知症サポーターの養成を推進し、地域住民の支え合い活動の環を拡げてまいりたいと思います。
また、高齢化の進展に伴い要介護認定者の数も年々増加傾向にあることから、平成23年度に策定いたします第5期介護保険事業計画においては、施設サービス等の充実を盛り込むなど、介護サービスの不足解消に向けた取組みを推進してまいりたいと思います。
そのほか、平成23年度から新たに、地域支え合い体制づくり事業に取り組みます。
現代社会においては、一人暮らし高齢者や高齢者のみの世帯の急増もあいまって、親族間や地域社会等との交流が希薄となる、いわゆる「無縁社会」が広がりつつあることが懸念されております。
このような状況を考え、市といたしましては、関係機関と十分協議を重ねながら、地域における高齢者などの援護が必要な方に関する情報の整備や、高齢者の見守り・支援体制を強化する施策を実施することにより、高齢者などの援護が必要な方たちを地域社会で見守り、生活を支えていく体制を構築したいと考えております。
今後も、高齢者の1人暮らしや高齢者のみの世帯、要介護者や認知症者の増加が予想されることから、これら援護が必要な方々の見守りや権利擁護など多様な生活支援サービスを充実させ、地域ケアの一層の推進を図ってまいりたいと考えております。

(6)障がい者に係る福祉施策について
現在、国においては、応益負担を原則とする現行の障害者自立支援法を廃止し、制度に切れ目のない支援の提供、個々のニーズに基づいた地域生活支援体系の整備等を内容とする法整備の検討が進められております。
市においても、障がいのある方やその保護者に対する支援として各種事業を実施しておりまして、特に平成22年度からは、保護者の要望を踏まえ、日中における活動の場を確保することにより家族の就労支援及び日常的に介護している家族の一時的な休息を図る、日中一時支援事業の拡充を図ってまいりました。
平成23年度からは、この日中一時支援事業について、さらに休日にも対応できるよう施設と連携した体制整備に取り組んでまいります。
加えて、ケアマネジメントを含めた相談支援事業についても、その充実を図るために、地域のニーズ把握、相談支援体制やネットワークづくりなどにおいて、重要な役割を担う地域自立支援協議会のさらなる機能強化を図りたいと思っております。

(7)医療・予防施策の充実について
胎内市における死亡要因を見てみますと、全国と同様、悪性新生物、いわゆる「がん」が一番多く、中でも「胃がん」の割合が高い状況にあります。
しかしながら、市の胃がん検診の受診率は例年15パーセント前後で推移していることから、胃がんの早期発見のためにも、この検診の受診率を上げることは非常に大切であると考えております。
このたび、専門医の体制が整ったことから、平成23年度からは、胃がん検診の施設検診として、従来のバリウムによるX線検診に加え、新たに、内視鏡による胃内視鏡検診を実施いたします。
この検診の導入により受診者が増えることを期待いたします。
また、子宮頸がん等予防ワクチンの接種を促進してまいります。
ご承知のとおり、子宮頸がん予防ワクチンの接種については、昨年10月から中学生女子を対象に全額助成する形で、実施してまいりましたが、平成23年度は、この取組みに加え、新たに、4歳までの乳幼児を対象にヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンを個人負担なく接種できるよう支援いたします。
このように、ワクチン接種を受けやすい環境を整えることで、子どもたちの感染症の発症予防に努めてまいりたいと考えております。

(8)食に関する取組みについて
平成23年度末を目標に胎内市食育推進計画を策定いたします。
この計画は、現在、乳幼児から高齢者に至る世代の市民を対象に、保健福祉・教育・農林水産などの各分野でそれぞれ実施されている食に関する取組みを有機的に結びつけるなど、食育を組織的かつ計画的に推進することにより、その実効性及び成果をより高めるために策定するものであります。
この計画を基本として、心身の健康増進と豊かな人間形成のために、食に関する知識や食を選択する力を身につけ、健全な食生活を実践することのできる人を育てるという基本姿勢に立ちながら、食育事業を推進してまいります。

(9)心の健康に関する相談窓口の充実について
現在実施している心の健康に関する相談窓口に加え、新たに、看護師等の業務経験を有する相談員による自殺予防のための電話相談窓口を開設し、うつ病等、心理面で苦悩状態にある方に対する支援体制の充実を図ってまいります。

(10)(仮称)黒川地区総合福祉センター施設の整備事業の推進について
胎内市栗木野新田にあります旧胎内保育園を改修整備し、総合福祉センターとして活用していただけるよう計画しているものでありまして、保健福祉分野に限らず、公民館的活動等いろいろな機能を持ちあわせた多目的コミュニティセンターとして、地域住民の方々が主体的に活用できる施設を目指しております。
平成23年度は施設整備のための事前準備として、耐震診断を行うとともに、供用を開始した暁には、地域住民が主体的にセンターの運営や健康づくり、地域づくり活動に参加できるよう、その担い手となる人材育成にも力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。

(11)防災に対する取組みについて
これまでの各地の大規模災害を見てまいりますと、被害の拡大を防ぐためには行政の対応だけでは限界があり、近隣の人々が集まって互いに協力しながら防災活動に組織的に取り組むことが、いかに必要であるかが分かります。
このため、胎内市では、引き続き、自主防災組織の組織率の向上に向けた取り組みを推進し、地域防災力の強化を図るとともに、広く市民の防災意識や知識を高めることにより、災害発生時の被害軽減に繋げてまいりたいと考えております。
また、その取組みの一環として、「防災の日」である9月1日には新潟県、胎内市、関係機関及び自主防災組織の合同による新潟県総合防災訓練を実施する予定であります。
そのほか、個人における安全・安心で、かつ、生活環境の向上及び地域経済の活性化に資する取組みとして、引き続き、一般住宅に対する耐震化助成制度及び住宅リフォーム助成制度を実施してまいります。
いずれにいたしましても、災害から市民の生命や財産を守るためにも、既に整備を終えた防災行政無線の活用はもとより、市民の皆様においても、常日頃から災害に対する認識をしっかりと持っていただけるよう、適切な対策を講じてまいりたいと考えております。

(12)環境施策に関する事業推進について
根幹となる環境基本計画につきましては、平成22年度末までに策定できる運びとなっております。
ご承知のとおり、環境に対する関心は地球規模で広がりと深みを増し、そこに付随する課題解決においては、社会全体で向き合っていかなければならない性質のものでありますが、まずは、地域でできる取組みを市民の皆様と協働して実践していかなければならないものと認識しております。
今ほど申し上げました地域の諸課題のほかにも、畜産臭気のさらなる改善や廃屋及び相続放棄地の対策等も楽観を許さない状況にございますが、このたび策定される環境基本計画を基に一歩一歩、歩を進め、「安心・安全」に「快適さ」を付加できるような地域環境を整え、次世代に引き継いでいけるよう努力してまいりたいと考えておりますので、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

(13)都市計画の推進について
胎内市の都市整備に関する基本的な方針を定める「胎内市都市計画マスタープラン」につきましては、平成22年度末までに策定し、平成23年度は、このマスタープランに基づきながら、都市計画区域を黒川地区へ拡大させるための事前準備として、地域住民との合意を図るとともに、社会情勢の変化や土地利用状況の変化から長期間未着手となっている都市計画道路の見直しに取り組んでまいります。

(14)JR中条駅の西口整備について
胎内市の都市構造を見ますと、JR羽越本線により東西が地理的に分断されていることから、駅周辺における一体的発展や交通利便性及び回遊性に課題があると感じております。
そこで、これらの解消と地域の活性化を図るため、新市建設計画にも登載しております「JR中条駅の西口整備」に取り組みます。
平成23年度は、本整備計画の根幹を成す基本設計の作成と日本貨物鉄道株式会社との具体的な用地交渉に向けた準備を行います。

(15)市営住宅8号棟の建設について
現在、建設のための実施設計を行っているところであり、平成23年度と24年度の2ヶ年での建設を予定しております。

(16)ライフライン等の整備について
市民生活に直接関係が深い、道路、上水道、簡易水道及び下水道の整備につきましては、引き続き、計画的に取り組んでまいります。

(17)地域公共交通への取組みについて
急速な高齢化の進行や交通の不便さがもたらす市民生活への影響等々を考え合わせますと、社会参加の礎としての生活交通の確保・維持は大変重要な課題であると考えております。
そのため、市では気軽に利用でき、かつ、ドア・to・ドアを実現する新しい公共交通機関として、平成21年4月から「デマンドタクシー」の実証運行に取り組んでまいりました。
この実証運行期間中に、運行日時やエリアを拡大するなど、利用者の声を反映しながら運行手法の見直しを図ってきた結果、利用者からの評判はよく、現在では、1日平均の利用者が150人を上回るなど、地域の重要な足として定着したと思っております。
さらに、現在、朝夕の通勤通学路線バスとして運行されている「桃崎浜・平木田駅前線」及び「鍬江・中条駅前線」の2路線において、利用者が非常に少ない上、デマンドタクシーの運行で補完できることから、本年4月からの廃止が決定しておりまして、路線バスに代わる交通機関として、デマンド交通の役割がますます大切になろうかと思います。
平成23年度からは、本格運行の段階に入るわけですが、これまでの検証結果を活かしながら、引き続き、公共交通が担うべき役割を十分に考え、安全・安心で快適な公共交通サービスを提供してまいりたいと考えております。



3 「活力を創出する環境づくり」


(1)農業振興に対する取組みについて
平成23年度から本格的に実施する農業者戸別所得補償制度について述べさせていただきます。
この制度は、平成22年度の戸別所得補償モデル対策を踏まえ、助成体制を再編した形で実施されるわけですが、具体的には、平成22年度と同様に米や戦略作物等に対する助成のほか、水田や畑作で作付けする麦や大豆などを対象として、平成22年度の収穫量に応じて算出する営農継続支払と平成23年度の収穫量に応じて算出する数量払による助成が加わります。
市においては、水田で作付けされる麦や大豆が該当してくるものと考えられますが、平成23年度の農業者戸別所得補償制度も未確定の部分が多く、今後は国の動向を注視しながら適切に対応することにより、農家に対する支援に努めてまいりたいと考えております。

(2)胎内型ツーリズムの推進について
平成20年度から重点的に取り組んでまいりました「ふるさと体験学習」は、学校と地域が密接に結びつく、ふるさと教育として、評価も高く、今後の一層の充実が期待されております。
そこで、これまでの取組みで検証された教育効果を市外へ発信することで、より多くの学校に体験学習の場として利用していただきたいと考えております。
近年、グリーン・ツーリズムは、県内を始め、全国的にも取り組む地域が多くなっておりますが、だからこそ、胎内市の特色を強調し、他の地域との優位性を図る必要があろうかと思います。
幸いにも、胎内市には、自然・環境学習の場として奥胎内や日本最古の油田、また、食農資源として「胎内黒豚」や「米粉」等々、農村生活体験には最高の素材があり、訪れた方に対する思い出、感動の機会が溢れているといえます。
このような優位性を発揮することにより、利用世代に拡がりが生まれ、新たな事業展開が見出せるものと考えます。
今後は、子どもたちのみならず、都市生活者、あるいは、訪日外国人との多様な交流を促進する意味でも、さらなる受入体制の整備を進めるなど、観光協会、商工会、農協等と連携しながら、業務の拡大を図ってまいりたいと考えております。

(3)農業基盤整備について
引き続き、ほ場整備事業、湛水防除事業及びかんがい排水事業に取り組んでまいります。

(4)林業振興施策について
新たに越後杉利用住宅建築奨励事業に取り組みます。
市内の山林には、市内の建築用木材の需要量を十分に賄えるほどの豊富な森林資源がありますが、木材価格の下落や林業を営む方々の高齢化等の理由により、木材としての成熟期を迎えながら有効に活用されていない例が多く見られます。
そこで、市では、市内の建築業者が越後杉を一定量使った居住用住宅を市内に建築する場合に、建築業者に対して1戸当たり10万円を限度に補助金を交付し、住宅建築用木材に、品質・性能が優れた越後杉の利用を奨励することで、快適で安全性の高い住宅建築の普及促進と市内の建築業者への経済波及を図り、市又は県産木材の有効活用、ひいては、林業の活性化や森林整備の促進に繋げてまいりたいと考えております。

(5)商工振興に関する取組みについて
IT環境が整備されている今日において、インターネットを駆使した販売ルートの開拓や商業交流の場を確保することは、時代に即した商工業活動を展開する上で、欠かせない視点であると考えております。
そのため、市では、商工会との連携のもと、引き続き、市内の商工業者の営業内容等を紹介するポータルサイトを構築し、市内の商工業者のホームページの作成を通じて、広く企業・商店・事業所の広告宣伝活動を支援してまいります。
その後、ネットショッピングやお店と消費者との交流情報を提供するページを立ち上げるなど、インターネット等を活かした総合的な情報伝達手段を構築し、中心市街地の活性化及び市全体の活力向上に繋げてまいりたいと考えております。
また、本年は、胎内市の地域資源のひとつである「米粉」を全国的にアピールするため、「米粉シンポジウム・米級ご当地グルメの祭典」を開催いたします。
現在、全国的な「米粉ブーム」により米粉を活用した商品や料理が脚光を浴びております。
そこで、この祭典を開催することにより、多くの方に米粉を普段の料理に使う材料として捕らえていただき、ひいては、市内の米粉産業の振興及び米の消費拡大に繋がることを期待しております。
そのほか、中小規模の企業への支援として、引き続き、各種融資制度に係る信用保証料の全額補給を実施いたします。
加えて、商業機能の再生、市内商店の活性化及び個人消費の需要を喚起するため、平成23年度も商工会で実施するプレミアム商品券発行事業に対し、助成を行う予定であります。

(6)観光振興に関する取組みについて
胎内市には、海岸線から樽ヶ橋エリア、胎内リゾート、奥胎内と多種多様で魅力的な観光スポットが多くあるわけですが、この魅力を活かすためには点ではなく線で結びながら、ストーリーやテーマを盛り込んだ体験型・着地型観光コースを設定するなど、中長期的な視点に立った観光まちづくりを進める必要があると考えているところであります。
そのためにも、観光振興の重要な役割を担う胎内市観光協会に対しまして、その機能を発展させ、ソフト事業を先導的に推進していただけるよう、様々な形で支援をしてまいりたいと思います。
加えて、国の重点分野雇用創出事業等を活用して、市、観光協会及び市内事業所の連携のもと、体験型観光の企画者やインストラクター、観光ボランティア等の育成を図るなど、より観光客の視点に立ったサービスを提供してまいりたいと考えております。
また、現在、県の地域プロジェクト事業として実施しております「命を育む胎内川・河川公園整備事業」と連携しながら、樽ヶ橋エリアのグランドデザインを策定しているところですが、昨年オープンした観光交流センターを市の観光交流の拠点施設として、ゆくゆくは、近隣の樽ヶ橋遊園やクアハウスたいない等の既存施設を有機的に結びつけ、新たな機能を持ち合わせた樽ヶ橋エリアを構築するためのハード整備に取り組みたいと考えております。
そのほか、昨年から大きな変革に取り組んでおります胎内リゾート施設につきましては、指定管理者である株式会社胎内リゾートの経営努力により、収支改善は着実に進んでおりますが、引き続き、経営改革を順次進めてもらい、胎内リゾート活性化マスタープランの見直し目標数値を達成するために、市で直接管理する施設の効率的運営に努めるとともに、株式会社胎内リゾートとの連携を図ってまいりたいと思っております。

(7)雇用対策に対する取組みについて
この春、4年制大学を卒業する予定の学生の就職内定率が過去最低を記録したように、昨今の経済状況を反映して、雇用環境は、全国的に厳しい状況が続いております。
そこで、市では、平成23年度当初予算において緊急雇用対策事業として約2億7,100万円の予算規模で、104人の雇用を図り、地域の雇用安定に努めていく予定であります。
また、これまで、「胎内市雇用促進協議会」において、雇用状況・求人情報等の情報共有を進めてきたわけですが、その結果、学校関係者と企業との理解や協力関係が深まり、例えば、県立中条高等学校の就職内定率が、90パーセントを超えるなどの成果を挙げることができました。
引き続き、協議会との連携を図りながら、雇用促進・拡大施策、就職活動支援等のための事業展開を検討し、雇用対策の強化の取組みを着実に進めていきたいと思います。

(8)国際交流に対する取組みについて
生活、文化、経済、教育などあらゆる面でグローバル化が進展している社会において、行政や市民が世界に目を向け国際感覚を身につけておくことは大変意義深いものと思います。
さらに、異なる文化や価値、そして情報の交流が、新たな魅力の創出のきっかけとなりうるなど、市の魅力と活力を高めるためにも国際化を推進する必要があると考えているところであります。
平成23年度の取組みについてですが、現在、姉妹都市提携を結んでおりますアメリカ・イリノイ州カーボンデール市との交流につきましては、子どもたちの国際感覚の醸成のために、中学生を対象とした海外体験学習事業を引き続き実施したいと考えております。
また、昨年来、協議を進めてまいりました中国・黒竜江省の綏化市(すいかし)及び浙江省桐郷市(とうきょうし)との交流につきましては、懸念している国際情勢を見極めた上で、延期していた綏化市への訪問を行い、文化、教育面を始めとした様々な分野における市民レベルでの交流を通じて国際相互理解を促進するべく、友好都市提携の締結を目指します。
なお、桐郷市との友好都市提携につきましては、綏化市との締結後、引き続き、協議を進めてまいりたいと考えております。

(9)新たな地域振興策の取組みについて
昨年、政府において新たな成長戦略の一つとして創設された「総合特区制度」に対し、胎内市の特色を活かした提案をいたします。
この特区制度を通じて、「胎内市という地域ブランドの確立」及び「地域に根ざす様々な組織体が協働することによる自立したコミュニティーの形成」を具現化することで、持続可能な自立した地域創生を目指したいと考えているところであります。
市が提案するプロジェクトの概要ですが、一言で申しますと、「新たな組織形態を活用した官民相乗りの地域振興特区」でありまして、現段階における具体的な取組みとしては、インターネットを活用し、全国各地から農業経営に参画できる、バーチャル農園を開設することにより、首都圏へ農産物及び農産加工品をブランド化して販売するとともに、農園作業への参加を含む、市への誘客を促すなど、地域活性と食育を訴求する仕組みを考えております。
また、その運営母体には、政府が掲げる「新しい公共」の理念にも合致する組織として、市が中心となって、市に拠点を置く企業や団体で組合を設立したいと考えております。
このプロジェクトは、まだ構想の段階でありますが、その詳細については、経済活動に長けている企業、高度な専門知識を持つ大学そして行政、いわゆる産学官が連携しながら、検討してまいります。
なお、この総合特区の申請は、今通常国会に提案されている予算及びその関連法案が成立した後の、本年6月頃となる予定であり、プロジェクトの詳細につきましては、逐次、議員の皆様にもお示ししたいと考えております。



4 「健全な行財政運営に基づくまちづくり」


(1)行政改革について
市の行政改革は、平成19年に策定した行政改革大綱に基づき、市民の視点に立った行政運営を推進し、行政サービスの向上と効率的、効果的な行政運営の確立を目指し、鋭意取り組んできたところであります。
平成23年度は、本大綱とその実施計画である集中改革プランの計画期間の最終年度でありますが、現在、86の改革項目中、72項目、率にして83.7パーセントが実施又は一部実施している状況にありますことから、引き続き、改革に向けた取組みを進めるとともに、平成24年度からの新たな行政改革大綱の策定に向け、行政運営の効率化、市民協働といった基本方針を受け継ぎながら、市民で構成する行政改革推進委員の皆さまとともに取り組んでまいりたいと考えております。

(2)財政健全化計画について
現在、平成23年度の当初予算案をベースとして、平成27年度までの市税や地方交付税その他の歳入の見込みを算出し、歳出につきましても、人件費や公債費等の将来推計とともに、新市建設計画事業との調整を始め、年度ごとの実施可能事業費の試算をしているところであります。
本計画は、平成22年度末までに策定いたしますが、今後の行財政運営の基本を成すものでありますので、着実に実施することにより、健全な財政に裏付けられた市政運営に繋げてまいりたいと考えております。

(3)新市建設計画事業について
平成22年度末までに策定いたします新市建設計画登載事業に係る実施計画についてでありますが、懸案事項でありました教育関連施設の耐震化施工に要する費用が、ある程度確認できましたので、現在は、計画登載事業の執行年度等について、今ほど申しましたとおり、策定中の財政健全化計画と整合を図っているところであります。
いずれにいたしましても、新市建設計画に登載されている事業は、今後のまちづくり施策を進めていく上で、基幹的な役割を担うものでありますので、新市建設計画審議会からの答申を受けて定めた優先度の高いものについては、できるだけ早期に完了するよう、計画したいと思います。

お問い合わせ

総務課法制係

新潟県胎内市新和町2番10号

電話番号:0254-43-6111

housei@city.tainai.lg.jp